歯の表面を構成するエナメル質、傷付いても元に戻る?

エナメル質の硬さはどれくらい?

歯は3つの層に分かれていて、一番外側にあるのがエナメル質です。歯が白いため一番外側のエナメル質が白いのかと思われる方も多いですが、実際にはエナメル質自体は半透明であり、その下にある象牙質の色が白いため歯は白く見えます。また、エナメル質は人体のあらゆる組織の中で一番硬くできており、たった2~3mmしかないにも関わらず水晶と同等の硬度があると言われています。
ただし、エナメル質は高い硬度を持っているものの、同時にデリケートな部分もあり、硬いものを噛んだり強く歯を磨いたりするとミクロの傷が付いてしまうのです。この傷や汚れのせいで象牙質は白くても歯がくすんで見えてしまいます。つまり、歯の健康や美しさを保つためにはエナメル質を守ることが大切なのです。

一度傷付いたエナメル質は元に戻るのか?

よく硬いものを食べたり、毎日毎食後欠かさず歯磨きしている人は、先程の文章を読んでエナメル質が傷付いているのではないかと不安になる方もいらっしゃるかと思います。しかし、一度傷付いたエナメル質も唾液の力で元に戻ることができるのです。
例えば虫歯の原因菌が発生させた酸によってエナメル質を構成するミネラルが溶け出し、傷付いてしまう現象を『脱灰』と言いますが、唾液がミネラルを補給し再石灰化されるため溶けてしまった部分は修復されます。毎食きちんと歯磨きしている人は特に脱灰と再石灰化のバランスが取れているため、エナメル質は健康に保たれているのですが、逆に歯磨きをサボったり、ダラダラと食事を続けたりしていると、脱灰が進行してエナメル質が傷付いたままになってしまうのです。

千葉に所在する審美歯科

エナメル質を強化するためには?

傷付いたエナメル質は修繕することもできますが、傷付く前に強化させることも可能です。例えば食事の中でエナメル質を構成するミネラルの主成分であるカルシウムは、積極的に摂取した方が良いでしょう。ただし、カルシウムは栄養素の中で吸収されにくいものに分類されます。カルシウムを効率的に摂取するためにはビタミンDも同時に摂取するようにしましょう。
もう一つの強化方法としてフッ素の塗布がおすすめです。フッ素を歯に塗ることでミネラルなどが溶けにくくなったり、初期の虫歯であれば治すこともできます。フッ素の塗布は自宅でも手軽に行えるよう、市販品としてフッ素ジェルが販売されていますが、もし不安であれば歯医者を訪れ、フッ素塗布について相談してみると良いでしょう。